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住宅改修費の支給限度額 |
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支給限度基準額 |
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住宅改修費の支給対象となる住宅改修は、被保険者の資産形成につながらないよう、また住宅改修について制約を受ける賃貸住宅等に居住する高齢者との均衡等も考慮して、手すりの取付け、床段差の解消等比較的小規模なものとしたところであり、これらに通常要する費用を勘案して、基準額告示において、居宅介護住宅改修費支給限度基準額及び居宅支援住宅改修費支給限度基準額を二〇万円としたところである。
このため、二〇万円までの住宅改修を行うことが可能であり、二〇万円の住宅改修を行った場合、通常、保険給付の額は一八万円となるものである。
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(2) |
支給限度額管理 |
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支給限度額と要介護状態区分等との関係 |
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基準額告示においては、居宅介護住宅改修費支給限度基準額は要介護状態区分にかかわらず定額(二〇万円)とし、居宅支援住宅改修費支給限度基準額も同額としたところである。また、施行規則第七六条第一項及び第九五条の規定により、居宅介護住宅改修費の支給と居宅支援住宅改修費の支給は、同一の支給限度額で統一的に管理される。すなわち、要介護状態区分が変更された場合、要介護者が要支援者になった場合又は要支援者が要介護者になった場合であっても、それをもって支給限度額に変更があるわけではなく、支給限度額は、以前に支給された住宅改修費の額を支給限度基準額(二〇万円)から控除した額となるものである。
ただし、施行規則第七六条第二項の規定及び特例告示により、過去において最初に住宅改修費の支給を受けた住宅改修の着工時点と比較して介護の必要の程度が著しく高い要介護認定を受けている状態(要支援及び要介護状態区分が三段階以上上がった場合)で行った住宅改修について、初めて住宅改修費の支給を受ける場合には、それ以前に支給された住宅改修費の額にかかわらず、改めて支給限度基準額(二〇万円)までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる。なお、この取扱いは一回に限られる。
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A |
転居した場合の支給限度額管理 |
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支給限度額管理は、施行規則第七六条第一項及び第九五条の規定により、現に居住している住宅に係る住宅改修費のみを対象として行うこととしており、当該住宅以外の住宅について支給された住宅改修費については、支給限度額管理の対象とはならない。よって、転居した場合には改めて支給限度基準額までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる。
(注) これらの具体的取扱いについて別紙として解説を作成したので活用されたい。
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住宅改修費の支給申請 |
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住宅改修費の支給申請に当たっては、下記の書類を市町村に提出することとされているので留意されたい。 |
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申請書(施行規則第七五条第一項及び第九四条第一項) |
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第一号の「住宅改修の内容、箇所及び規模」は、改修を行った工事種別(種類告示の第一号から第五号までの別)ごとに、便所、浴室、廊下等の箇所及び数量、長さ、面積等の規模を記載することとするが、領収証に添付する工事費内訳書においてこれらの内容が明らかにされている場合には、工事種別のみを記載することとして差し支えない。
また、第二号の「住宅改修に要した費用」については、住宅改修費の支給対象となる住宅改修の費用とする。
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添付書類(施行規則第七五条第二項及び第九四条第二項) |
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領収証 |
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第一号の「住宅改修に要した費用に係る領収証」には、工事費内訳書も添付する。工事費内訳書は、工事を行った箇所、内容及び規模を明記し、材料費、施工費、諸経費等を適切に区分したものとする。
なお、領収証は住宅改修費の支給対象とならない工事等の費用を含めた費用を記載して差し支えないが、この場合、申請書に記載された「住宅改修に要した費用」が種類告示の第一号から第六号までに掲げる住宅改修に要した費用として適切に算出されたものであることがわかるよう、工事費内訳書において算出方法を明示するものとする。
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A |
住宅改修が必要な理由書 |
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第二号の「住宅改修について必要と認められる理由が記載されているもの」は、被保険者の心身の状況及び日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況等を総合的に勘案し、必要な住宅改修の工事種別とその選定理由を記載する。
また、当該書類を作成する者は、基本的には介護支援専門員とするが、市町村が行う住宅改修指導事業(リフォームヘルパー事業)等として、住宅改修についての相談、助言等を行っている福祉、保健・医療又は建築の専門家も含まれるものである。ただし、当該書類を作成しようとする者が、当該住宅改修に係る被保険者の居宅サービス計画を作成している介護支援専門員と異なる場合は、当該介護支援専門員と十分に連絡調整を行うことが必要である。
なお、介護支援専門員が当該書類を作成する業務は居宅介護支援事業の一環であるため、被保険者から別途費用を徴収することはできない。また、介護支援専門員又は居宅介護支援事業者が、自ら住宅改修の設計・施工を行わないにもかかわらず被保険者から住宅改修の工事を請け負い、住宅改修の事業者に一括下請けさせたり、住宅改修事業者から仲介料・紹介料を徴収したりすること等は認められない。
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B |
完成後の状態を確認できる書類等 |
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第三号の「住宅改修の完成後の状態を確認できる書類等」とは、便所、浴室、廊下等の箇所ごとの改修前及び改修後それぞれの写真とし、原則として撮影日がわかるものとする。 |
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(3) |
住宅の所有者の承諾書(施行規則第七五条第三項及び第九四条第三項) |
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当該住宅改修を行った被保険者と、住宅の所有者が異なる場合は、当該住宅改修についての所有者の承諾書が必要であるので留意されたい。 |
3 |
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住宅改修費の算定上の留意事項 |
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(1) |
住宅改修の設計及び積算の費用 |
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住宅改修の前提として行われた設計及び積算の費用については、住宅改修の費用として取り扱うが、住宅改修を伴わない設計及び積算のみの費用については住宅改修費の支給対象とならないものである。 |
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(2) |
新築又は増改築の場合 |
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住宅の新築は、住宅改修とは認められないので住宅改修費の支給対象とならないものである。
また、増築の場合は、新たに居室を設ける場合等は住宅改修費の支給対象とならないが、廊下の拡幅にあわせて手すりを取り付ける場合、便所の拡張に伴い和式便器から洋式便器に取り換える場合等は、それぞれ「手すりの取付け」、「洋式便器等への便器の取替え」に係る費用についてのみ住宅改修費の支給対象となり得るものである。
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(3)
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住宅改修費の支給対象外の工事も併せて行われた場合 |
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住宅改修費の支給対象となる住宅改修に併せて支給対象外の工事も行われた場合は、対象部分の抽出、按分等適切な方法により、住宅改修費の支給対象となる費用を算出する。 |
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(4)
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被保険者等自らが住宅改修を行った場合 |
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被保険者が自ら住宅改修のための材料を購入し、本人又は家族等により住宅改修が行われる場合は、材料の購入費を住宅改修費の支給対象とするものである。この場合、施行規則第七五条第二項第一号及び第九四条第二項第一号の「住宅改修に要した費用に係る領収証」は、材料を販売した者が発行したものとし、これに添付する工事費内訳書として、使用した材料の内訳を記載した書類を本人又は家族等が作成することとする。なお、この場合であっても、住宅改修が必要な理由書、完成後の状態を確認できる書類等は必要であるので留意されたい。 |
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一の住宅に複数の被保険者がいる場合の住宅改修の費用 |
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一の住宅に複数の被保険者が居住する場合においては、住宅改修費の支給限度額の管理は被保険者ごとに行われるため、被保険者ごとに住宅改修費の支給申請を行うことが可能である。ただし、一の住宅について同時に複数の被保険者に係る住宅改修が行われた場合は、当該住宅改修のうち、各被保険者に有意な範囲を特定し、その範囲が重複しないように申請を行うものとする。したがって、例えば被保険者が二人いる場合において、各自の専用の居室の床材の変更を同時に行ったときは、各自が自らの居室に係る住宅改修費の支給申請を行うことが可能であるが、共用の居室について床材の変更を行ったときは、いずれか一方のみが支給申請を行うこととなる。 |
4 |
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支援体制等の整備 |
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(1) |
支援体制の整備 |
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住宅改修は、被保険者の心身の状況及び日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況、家族構成、住宅改修の予算等を総合的に勘案することが必要であり、福祉用具と同様に個別性が強いものである。また、ひとたび住宅改修を行うと、簡単に修正できるものではないことから、被保険者からの事前の相談に対し適切な助言等を行うことができるよう、市町村は、都道府県、関係機関、関係団体、居宅介護支援事業者等とも連携を図り、住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者等による支援体制を整備することが望ましい。
なお、市町村は、介護予防・生活支援事業の一つである住宅改修指導事業として相談、助言等の事業を行うことが可能である。
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事業者に係る情報提供 |
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被保険者が住宅改修の事業者を適切に選択できるよう、市町村は住宅改修の事業者に関する情報を提供することが重要である。特に、高齢者の住宅改修は一般の住宅改修と異なり、高齢者の心身の状況等を勘案すること、要介護状態の変化にも適切に対応していくこと等が求められるため、事業者に関し、高齢者の住宅改修の実績や、アフターサービスの方針等の情報についても提供するよう留意することとされたい。 |
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事業者等に対する研修事業の実施 |
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適切な住宅改修が行えるよう、住宅改修の事業者の育成も重要であり、関係機関、関係団体等の協力を得て、都道府県又は市町村が研修事業を行うことが望ましい。 |
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市町村における介護保険とは別の住宅改修に関する助成制度 |
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一部の市町村においては、法施行前から住宅改修について助成事業が行われているところであるが、法施行後も、法における住宅改修費の支給対象外の工事及びその費用が支給限度基準額を超えて行われる工事について、助成を行うことは可能である。
ただし、法に基づく住宅改修費の支給対象となる住宅改修を助成対象とする場合、法に基づく住宅改修費の支給を確実に優先させるためには、これを超える分について地方公共団体の単独事業として助成する旨の調整規定を、当該事業の根拠である条例等に盛り込むことが必要である。
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