第十章 短期入所療養介護
 
第一節 基本方針

 (基本方針)
第百四十一条
   指定居宅サービスに該当する短期入所療養介護(以下「指定短期入所療養介護」という。)の事業は、要介護状態等となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、療養生活の質の向上及び利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。

第二節 人員に関する基準

 (従業者の員数)
第百四十二条
   指定短期入所療養介護の事業を行う者(以下「指定短期入所療養介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定短期入所療養介護事業所」という。)ごとに置くべき指定短期入所療養介護の提供に当たる従業者(以下「短期入所療養介護従業者」という。)の員数は、次のとおりとする。
   介護老人保健施設である指定短期入所療養介護事業所にあっては、当該指定短期入所療養介護事業所に置くべき医師、薬剤師、看護職員(看護師及び准看護師をいう。以下この章において同じ。)、介護職員、支援相談員、理学療法士又は作業療法士及び栄養士の員数は、それぞれ、利用者を当該介護老人保健施設の入所者とみなした場合における法に規定する介護老人保健施設として必要とされる数が確保されるために必要な数以上とする。
   指定介護療養型医療施設である指定短期入所療養介護事業所にあっては、当該指定短期入所療養介護事業所に置くべき医師、薬剤師、看護職員、介護職員、栄養士及び理学療法士又は作業療法士の員数は、それぞれ、利用者を当該指定介護療養型医療施設の入院患者とみなした場合における法に規定する指定介護療養型医療施設として必要とされる数が確保されるために必要な数以上とする。
   療養病床(医療法第七条第二項第四号 に規定する療養病床をいう。以下同じ。)を有する病院又は診療所(前号に該当するものを除く。)である指定短期入所療養介護事業所にあっては、当該指定短期入所療養介護事業所に置くべき医師、薬剤師、看護職員、介護職員(同法 に規定する看護補助者をいう。)、栄養士及び理学療法士又は作業療法士の員数は、それぞれ同法 に規定する療養病床を有する病院又は診療所として必要とされる数が確保されるために必要な数以上とする。
   介護保険法施行令 (平成十年政令第四百十二号。以下「令」という。)第四条第二項 に規定する病床により構成される病棟(以下「老人性認知症疾患療養病棟」という。)を有する病院(第二号に該当するものを除く。以下「老人性認知症疾患療養病棟を有する病院」という。)である指定短期入所療養介護事業所に置くべき短期入所療養介護従業者の員数は、次のとおりとする。
     医師及び薬剤師 それぞれ医療法 上必要とされる数以上
     老人性認知症疾患療養病棟に置くべき看護職員
      (1)  老人性認知症疾患療養病棟(医療法施行規則 (昭和二十三年厚生省令第五十号)第四十三条の二 の規定の適用を受ける病院が有するものに限る。)にあっては、常勤換算方法で、当該病棟における入院患者の数が三又はその端数を増すごとに一以上
      (2)  老人性認知症疾患療養病棟((1)の規定の適用を受けるものを除く。)にあっては、常勤換算方法で、当該病棟における入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一以上
     老人性認知症疾患療養病棟に置くべき介護職員 常勤換算方法で、老人性認知症疾患療養病棟における入院患者の数が六又はその端数を増すごとに一以上
     栄養士 病床数が百以上の病院であるものにあっては一以上
     老人性認知症疾患療養病棟に置くべき作業療法士 一以上
     老人性認知症疾患療養病棟に置くべき精神保健福祉士又はこれに準ずる者 一以上
 前項第四号の入院患者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に指定を受ける場合は、推定数による。
 第一項第四号イの医師のうち一人は、老人性認知症疾患療養病棟において指定短期入所療養介護を担当する医師としなければならない。
 第一項第四号ホの作業療法士及び同号ヘの精神保健福祉士又はこれに準ずる者は、常勤でなければならない。
  (平一三厚労令八・平一四厚労令一四・一部改正)

第三節 設備に関する基準
 (平一二厚令三七・節名追加)

 (設備に関する基準)
第百四十三条
   指定短期入所療養介護事業所の設備に関する基準は、次のとおりとする。
   介護老人保健施設である指定短期入所療養介護事業所にあっては、法に規定する介護老人保健施設として必要とされる施設及び設備を有することとする。
   指定介護療養型医療施設である指定短期入所療養介護事業所にあっては、法に規定する指定介護療養型医療施設として必要とされる設備を有することとする。
   療養病床を有する病院又は診療所である指定短期入所療養介護事業所にあっては、医療法 に規定する療養病床を有する病院又は診療所として必要とされる設備を有することとする。
   老人性認知症疾患療養病棟を有する病院である指定短期入所療養介護事業所にあっては、生活機能回復訓練室、デイルーム、面会室、食堂及び浴室を有することとし、当該指定短期入所療養介護事業所の病室、廊下、生活機能回復訓練室、デイルーム、面会室、食堂及び浴室は、次の基準を満たさなければならないこととする。
     老人性認知症疾患療養病棟に係る一の病室の病床数は、四床以下とすること。
     老人性認知症疾患療養病棟に係る病室の床面積は、内法による測定で、入院患者一人につき六・四平方メートル以上とすること。
     老人性認知症疾患療養病棟の用に供される部分(事業の管理の事務に供される部分を除く。)の床面積は、当該老人性認知症疾患療養病棟に係る病床数に十八平方メートルを乗じて得た面積以上の面積を有すること。
     患者が使用する廊下であって、老人性認知症疾患療養病棟に係る病室に隣接する廊下の幅は、内法による測定で、一・八メートル以上とすること。ただし、両側に居室がある廊下の幅は、内法による測定で、二・七メートル以上(医療法施行規則第四十三条の二 の規定の適用を受ける病院の廊下の幅にあっては二・一メートル以上)としなければならない。
     生活機能回復訓練室は、六十平方メートル以上の床面積を有し、専用の器械及び器具を備えること。
     デイルーム及び面会室の面積の合計は、老人性認知症疾患療養病棟における入院患者一人につき二平方メートル以上の面積を有しなければならない。
     食堂は、老人性認知症疾患療養病棟における入院患者一人につき一平方メートル以上の広さを有しなければならない。ただし、前号のデイルームを食堂として使用することができるものとする。
     浴室は、入院患者の入浴の介助を考慮してできるだけ広いものでなければならない。
  (平一二厚令三七・平一三厚労令八・一部改正)

第四節 運営に関する基準

 (対象者)
第百四十四条
   指定短期入所療養介護事業者は、利用者の心身の状況若しくは病状により、若しくはその家族の疾病、冠婚葬祭、出張等の理由により、又は利用者の家族の身体的及び精神的な負担の軽減等を図るために、一時的に入所して看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療等を受ける必要がある者を対象に、介護老人保健施設の療養室、病院若しくは診療所の療養病床に係る病室又は病院の老人性認知症疾患療養病棟において指定短期入所療養介護を提供するものとする。
  (平一三厚労令八・一部改正)

 (利用料等の受領)
第百四十五条
   指定短期入所療養介護事業者は、法定代理受領サービスに該当する指定短期入所療養介護を提供した際には、その利用者から利用料の一部として、当該指定短期入所療養介護に係る居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額から当該指定短期入所療養介護事業者に支払われる居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。
 指定短期入所療養介護事業者は、法定代理受領サービスに該当しない指定短期入所療養介護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定短期入所療養介護に係る居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、前二項の支払を受ける額のほか、次の各号に掲げる費用の額の支払を利用者から受けることができる。
   厚生労働大臣の定める基準に基づき利用者が選定する特別な療養室等の提供を行ったことに伴い必要となる費用
   送迎に要する費用(厚生労働大臣が別に定める場合を除く。)
 食材料費
   理美容代
   前各号に掲げるもののほか、指定短期入所療養介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの
 指定短期入所療養介護事業者は、前項に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対し当該サービスの内容及び費用について説明を行い、利用者の同意を得なければならない。
  (平一二厚令一二七・一部改正)

 (指定短期入所療養介護の取扱方針)
第百四十六条
   指定短期入所療養介護事業者は、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、認知症の状況等利用者の心身の状況を踏まえて、当該利用者の療養を妥当適切に行わなければならない。
 指定短期入所療養介護は、相当期間以上にわたり継続して入所する利用者については、次条第一項に規定する短期入所療養介護計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配意して行わなければならない。
 短期入所療養介護従業者は、指定短期入所療養介護の提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、利用者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、指定短期入所療養介護の提供に当たっては、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、自らその提供する指定短期入所療養介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (短期入所療養介護計画の作成)
第百四十七条
   指定短期入所療養介護事業所の管理者は、相当期間以上にわたり継続して入所することが予定される利用者については、利用者の心身の状況、病状、希望及びその置かれている環境並びに医師の診療の方針に基づき、指定短期入所療養介護の提供の開始前から終了後に至るまでの利用者が利用するサービスの継続性に配慮して、他の短期入所療養介護従業者と協議の上、サービスの目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した短期入所療養介護計画を作成しなければならない。
 短期入所療養介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。
 指定短期入所療養介護事業所の管理者は、短期入所療養介護計画の作成に当たっては、その内容について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
 指定短期入所療養介護事業所の管理者は、短期入所療養介護計画を作成した際には、当該短期入所療養介護計画を利用者に交付しなければならない。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (診療の方針)
第百四十八条
   医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。
   診療は、一般に医師として診療の必要性があると認められる疾病又は負傷に対して、的確な診断を基とし、療養上妥当適切に行う。
   診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、利用者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響を十分配慮して、心理的な効果をもあげることができるよう適切な指導を行う。
   常に利用者の病状及び心身の状況並びに日常生活及びその置かれている環境の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な指導を行う。
   検査、投薬、注射、処置等は、利用者の病状に照らして妥当適切に行う。
   特殊な療法又は新しい療法等については、別に厚生労働大臣が定めるもののほか行ってはならない。
   別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を利用者に施用し、又は処方してはならない。
   入院患者の病状の急変等により、自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、他の医師の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。
  (平一二厚令一二七・一部改正)

 (機能訓練)
第百四十九条
   指定短期入所療養介護事業者は、利用者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、必要な理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行わなければならない。

 (看護及び医学的管理の下における介護)
第百五十条
   看護及び医学的管理の下における介護は、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、利用者の病状及び心身の状況に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、一週間に二回以上、適切な方法により、利用者を入浴させ、又は清しきしなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、利用者の病状及び心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、おむつを使用せざるを得ない利用者のおむつを適切に取り替えなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、前各項に定めるほか、利用者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、その利用者に対して、利用者の負担により、当該指定短期入所療養介護事業者の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (食事の提供)
第百五十一条
   利用者の食事は、栄養並びに利用者の身体の状況、病状及び嗜好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。
 利用者の食事は、その者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。

 (その他のサービスの提供)
第百五十二条
   指定短期入所療養介護事業者は、適宜利用者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。
 指定短期入所療養介護事業者は、常に利用者の家族との連携を図るよう努めなければならない。

 (運営規程)
第百五十三条
   指定短期入所療養介護事業者は、次に掲げる事業運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
   事業の目的及び運営の方針
   従業者の職種、員数及び職務の内容
   指定短期入所療養介護の内容及び利用料その他の費用の額
   通常の送迎の実施地域
   施設利用に当たっての留意事項
   非常災害対策
   その他運営に関する重要事項

 (定員の遵守)
第百五十四条
   指定短期入所療養介護事業者は、次に掲げる利用者数以上の利用者に対して同時に指定短期入所療養介護を行ってはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
   介護老人保健施設である指定短期入所療養介護事業所にあっては、利用者を当該介護老人保健施設の入所者とみなした場合において入所定員及び療養室の定員を超えることとなる利用者数
   療養病床を有する病院若しくは診療所又は老人性認知症疾患療養病棟を有する病院である指定短期入所療養介護事業所にあっては、療養病床又は老人性認知症疾患療養病棟に係る病床数及び療養病床又は老人性認知症疾患療養病棟に係る病室の定員を超えることとなる利用者数
(平一三厚労令八・一部改正)
 
 (記録の整備)
第百五十四条の二
   指定短期入所療養介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
 指定短期入所療養介護事業者は、利用者に対する指定短期入所療養介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。
   短期入所療養介護計画
   次条において準用する第十九条第二項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
   第百四十六条第五項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
   次条において準用する第二十六条に規定する市町村への通知に係る記録
   次条において準用する第三十六条第二項に規定する苦情の内容等の記録
   次条において準用する第三十七条第二項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
  (平一五厚令二八・追加)

 (準用)
第百五十五条
   第九条から第十三条まで、第十五条、第十六条、第十九条、第二十一条、第二十六条、第三十二条、第三十三条、第三十五条から第三十八条まで、第五十二条、第六十五条、第百一条、第百三条、第百十八条、第百二十五条、第百二十六条第二項及び第百三十九条の規定は、指定短期入所療養介護の事業について準用する。この場合において、第三十二条中「訪問介護員等」とあるのは「短期入所療養介護従業者」と、第百一条第三項中「通所介護従業者」とあるのは「短期入所療養介護従業者」と、第百二十五条中「第百三十七条」とあるのは「第百五十三条」と、「短期入所生活介護従業者」とあるのは「短期入所療養介護従業者」と読み替えるものとする。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 

第十一章 認知症対応型共同生活介護
 
第一節 基本方針

 (基本方針)
第百五十六条
   指定居宅サービスに該当する認知症対応型共同生活介護(以下「指定認知症対応型共同生活介護」という。)の事業は、要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症)の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。以下同じ。)について、共同生活住居(法第七条第十五項 に規定する共同生活を営むべき住居をいう。以下同じ。)において、家庭的な環境の下で入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。

第二節 人員に関する基準

 (従業者の員数)
第百五十七条
   指定認知症対応型共同生活介護の事業を行う者(以下「指定認知症対応型共同生活介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定認知症対応型共同生活介護事業所」という。)ごとに置くべき指定認知症対応型共同生活介護の提供に当たる従業者(以下「介護従業者」という。)の員数は、当該事業所を構成する共同生活住居ごとに、夜間及び深夜の時間帯以外の時間帯に指定認知症対応型共同生活介護の提供に当たる介護従業者を、常勤換算方法で、当該共同生活住居の利用者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とするほか、夜間及び深夜の時間帯を通じて一以上の介護従業者に宿直勤務又は夜間及び深夜の勤務(夜間及び深夜の時間帯に行われる勤務(宿直勤務を除く。)をいう。第四項において同じ。)を行わせるために必要な数以上とする。
 前項の利用者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に指定を受ける場合は、推定数による。
 第一項の介護従業者のうち一以上の者は、常勤でなければならない。
 第一項の夜間及び深夜の時間帯において宿直勤務又は夜間及び深夜の勤務を行う介護従業者は、利用者の処遇に支障がない場合は、併設されている他の共同生活住居の職務に従事することができるものとする。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに、保健医療サービス又は福祉サービスの利用に係る計画の作成に関し知識及び経験を有する者であって第百六十四条第一項に規定する認知症対応型共同生活介護計画の作成を担当させるのに適当と認められるものを専らその職務に従事する計画作成担当者としなければならない。ただし、利用者の処遇に支障がない場合は、当該共同生活住居における他の職務に従事することができるものとする。
 前項の計画作成担当者は、別に厚生労働大臣が定める研修を修了しているものでなければならない。
 第五項の計画作成担当者のうち一以上の者は、介護支援専門員をもって充てなければならない。
 前項の介護支援専門員は、介護支援専門員でない他の計画作成担当者の業務を監督するものとする。
  (平一一厚令九六・平一五厚令二八・一部改正)

 (管理者)
第百五十八条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、共同生活住居の管理上支障がない場合は、当該共同生活住居の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。
 共同生活住居の管理者は、適切な指定認知症対応型共同生活介護を提供するために必要な知識及び経験を有する者であって、別に厚生労働大臣が定める研修を修了しているものでなければならない。
  (平一一厚令九六・平一五厚令二八・一部改正)

第三節 設備に関する基準

 (設備に関する基準)
第百五十九条
   指定認知症対応型共同生活介護事業所は、共同生活住居を有するものとし、その数は一又は二とする。
 共同生活住居は、その入居定員を五人以上九人以下とし、居室、居間、食堂、台所、浴室その他利用者が日常生活を営む上で必要な設備を設けるものとする。
 一の居室の定員は、一人とする。ただし、利用者の処遇上必要と認められる場合は、二人とすることができるものとする。
 一の居室の床面積は、七・四三平方メートル以上としなければならない。
 居間及び食堂は、同一の場所とすることができる。
  (平一一厚令九六・平一五厚令二八・一部改正)

第四節 運営に関する基準

 (入退居)
第百六十条
   指定認知症対応型共同生活介護は、要介護者であって認知症であるもののうち、少人数による共同生活を営むことに支障がない者に提供するものとする。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、入居申込者の入居に際しては、主治の医師の診断書等により当該入居申込者が認知症である者であることの確認をしなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、入居申込者が入院治療を要する者であること等入居申込者に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な他の指定認知症対応型共同生活介護事業者、介護保険施設、病院又は診療所を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、入居申込者の入居に際しては、その者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の退居の際には、利用者及び家族の希望を踏まえた上で、退居後の生活環境や介護の継続性に配慮し、退居に必要な援助を行わなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の退居に際しては、利用者又はその家族に対し、適切な指導を行うとともに、居宅介護支援事業者等への情報の提供及び保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

 (サービスの提供の記録)
  (平一五厚令二八・改称)
第百六十一条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、入居に際しては入居の年月日及び入居している共同生活住居の名称を、退居に際しては退居の年月日を、利用者の被保険者証に記載しなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、指定認知症対応型共同生活介護を提供した際には、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (利用料等の受領)
第百六十二条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、法定代理受領サービスに該当する指定認知症対応型共同生活介護を提供した際には、その利用者から利用料の一部として、当該認知症対応型共同生活介護に係る居宅介護サービス費用基準額から当該指定認知症対応型共同生活介護事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、法定代理受領サービスに該当しない指定認知症対応型共同生活介護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定認知症対応型共同生活介護に係る居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、前二項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を利用者から受けることができる。
   食材料費
   理美容代
   おむつ代
   前三号に掲げるもののほか、指定認知症対応型共同生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、前項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、利用者の同意を得なければならない。

 (指定認知症対応型共同生活介護の取扱方針)
第百六十三条
   指定認知症対応型共同生活介護は、利用者の認知症の症状の進行を緩和し、安心して日常生活を送ることができるよう、利用者の心身の状況を踏まえ、妥当適切に行われなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護は、利用者一人一人の人格を尊重し、利用者がそれぞれの役割を持って家庭的な環境の下で日常生活を送ることができるよう配慮して行われなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護は、次条第一項に規定する認知症対応型共同生活介護計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない。
 共同生活住居における介護従業者は、指定認知症対応型共同生活介護の提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、指定認知症対応型共同生活介護の提供に当たっては、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、自らその提供する指定認知症対応型共同生活介護の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、常にその改善を図らなければならない。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (認知症対応型共同生活介護計画の作成)
第百六十四条
   共同生活住居の管理者は、計画作成担当者(第百五十七条第五項の計画作成担当者をいう。以下この条において同じ。)に認知症対応型共同生活介護計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
 認知症対応型共同生活介護計画の作成に当たっては、通所介護の活用、地域における活動への参加の機会の提供等により、利用者の多様な活動の確保に努めなければならない。
 計画作成担当者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、他の介護従業者と協議の上、援助の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画を作成しなければならない。
 計画作成担当者は、認知症対応型共同生活介護計画の作成に当たっては、その内容について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
 計画作成担当者は、認知症対応型共同生活介護計画を作成した際には、当該認知症対応型共同生活介護計画を利用者に交付しなければならない。
 計画作成担当者は、認知症対応型共同生活介護計画の作成後においても、他の介護従業者及び利用者が認知症対応型共同生活介護計画に基づき利用する他の指定居宅サービス等を行う者との連絡を継続的に行うことにより、認知症対応型共同生活介護計画の実施状況の把握を行い、必要に応じて認知症対応型共同生活介護計画の変更を行うものとする。
 第二項から第五項までの規定は、前項に規定する認知症対応型共同生活介護計画の変更について準用する。
  (平一一厚令九六・平一五厚令二八・一部改正)

 (介護等)
第百六十五条
   介護は、利用者の心身の状況に応じ、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって行われなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、その利用者に対して、利用者の負担により、当該共同生活住居における介護従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。
 利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるものとする。
  (平一五厚令二八・一部改正)

 (社会生活上の便宜の提供等)
第百六十六条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の趣味又は嗜好に応じた活動の支援に努めなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者が日常生活を営む上で必要な行政機関に対する手続等について、その者又はその家族が行うことが困難である場合は、その者の同意を得て、代わって行わなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、常に利用者の家族との連携を図るとともに利用者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

 (管理者による管理)
第百六十七条
   共同生活住居の管理者は、同時に介護保険施設、居宅サービス事業所、病院、診療所又は社会福祉施設を管理する者であってはならない。ただし、これらの事業所、施設等が同一敷地内にあること等により当該共同生活住居の管理上支障がない場合は、この限りでない。

 (運営規程)
第百六十八条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
   事業の目的及び運営の方針
   従業者の職種、員数及び職務内容
   利用定員
   指定認知症対応型共同生活介護の内容及び利用料その他の費用の額
   入居に当たっての留意事項
   非常災害対策
   その他運営に関する重要事項

 (勤務体制の確保等)
第百六十九条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者に対し、適切な指定認知症対応型共同生活介護を提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。
 前項の介護従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、利用者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮しなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、介護従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。

 (定員の遵守)
第百七十条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、入居定員及び居室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

 (協力医療機関等)
第百七十一条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力医療機関を定めておかなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、サービスの提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等との間の連携及び支援の体制を整えなければならない。

 (居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第百七十二条
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に対して当該共同生活住居を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。

 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該共同生活住居からの退居者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。


 (調査への協力等)
第百七十二条の二
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、提供した指定認知症対応型共同生活介護に関し、利用者の心身の状況を踏まえ、妥当適切な指定認知症対応型共同生活介護が行われているかどうかを確認するために市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
  (平一一厚令九六・追加)

 (地域との連携等)
第百七十二条の三
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、その事業の運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、その事業の運営に当たっては、提供した指定認知症対応型共同生活介護に関する利用者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。
  (平一五厚令二八・追加)

 (記録の整備)
第百七十二条の四
   指定認知症対応型共同生活介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
 指定認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者に対する指定認知症対応型共同生活介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。
   認知症対応型共同生活介護計画
   第百六十一条第二項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
   第百六十三条第六項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
   次条において準用する第二十六条に規定する市町村への通知に係る記録
   次条において準用する第三十六条第二項に規定する苦情の内容等の記録
   次条において準用する第三十七条第二項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
  (平一五厚令二八・追加)

 (準用)
第百七十三条
   第八条、第九条、第十一条、第十二条、第二十一条、第二十六条、第三十二条から第三十四条まで、第三十六条から第三十八条まで、第五十一条、第五十二条、第百三条、及び第百四条の規定は、指定認知症対応型共同生活介護の事業について準用する。この場合において、第八条中「第二十九条」とあるのは「第百六十八条」と、「訪問介護員等」とあるのは「介護従業者」と、第三十二条中「訪問介護員等」とあるのは「介護従業者」と、第五十一条中「訪問入浴介護従業者」とあるのは「介護従業者」と読み替えるものとする。
  (平一五厚令二八・一部改正)
 
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