老企第25号    
一部改正の法令及び、通知


八 短期入所生活介護

1   人員に関する基準 (居宅基準第121条及び第122条)
     
  (1) 従業者の員数
  居宅基準第121条第2項の適用を受ける特別養護老人ホームとは、入所者に利用されていない居室又はベッドを利用して指定短期入所生活介護を行う特別養護老人ホームを意味するものである。
  併設事業所については、
    居宅基準第121条第4項の「特別養護老人ホーム等と一体的に運営が行われる」とは、併設本体施設の事業に支障が生じない場合で、かつ、夜間における介護体制を含めて指定短期入所生活介護を提供できる場合である。
    医師、栄養士及び機能訓練指導員については、併設本体施設に配置されている場合であって当該施設の事業に支障を来さない場合は兼務させて差し支えない。
    生活相談員、介護職員及び看護職員の員数については、併設されているのが特別養護老人ホームである場合には、特別養護老人ホームとして確保すべき員数と指定短期入所生活介護事業所として確保すべき員数の合計を、特別養護老人ホームの入所者と併設事業所の利用者の数とを合算した数について常勤換算方法により必要とされる従業者の数とするものである。例えば、入所者50人、利用者10人の場合の看護・介護職員の員数は、50÷3=17(端数切り上げ)と10÷3=4(端数切り上げ)の合計で21人となるのではなく、(50+10)÷3=20人となる。
    また、併設されているのが特別養護老人ホームでない場合も、従業者の員数の計算上、特別養護老人ホームの場合と同様の端数の処理を行うことができるものとする。例えば、特定施設に併設されている場合で、特定施設入居者生活介護の利用者が110人、短期入所生活介護の利用者が20人である場合の生活相談員の員数は、110十20=130人について計算するため、合計で2人ということとなる。
   
  (2) 生活相談員 (居宅基準第121条第1項第2号)
    生活相談員については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第46号)第5条第2項に定める生活相談員に準ずるものとする。
   
  (3) 機能訓練指導員 (居宅基準第121条第6項)
    機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事等を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。
   
  (4) 栄養士
    居宅基準第121条第1項ただし書に規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(健康増進法第19条第1項に規定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合である。
   
  (5) 管理者
    指定短期入所生活介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
  当該指定短期入所生活介護事業所の短期入所生活介護従業者としての職務に従事する場合
  同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される訪問系サービスの事業所のサービス提供を行う従業者との兼務は一般的には管理業務に支障があると考えられるが、訪問系サービス事業所における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)
   
2   設備に関する基準 (居宅基準第123条及び第124条)
     
  (1) 指定短期入所生活介護事業所の建物は、利用者が身体的、精神的に障害を有する者であることに鑑み、利用者の日常生活のために使用しない附属の建物を除き耐火建築物としなければならない。ただし、利用者の日常生活に充てられる居室、静養室、食堂、浴室及び機能訓練室を2階以上の階及び地階のいずれにも設けていない建物については、準耐火建築物とすることができる。
     
  (2)

第124条第1項の規定にかかわらず、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない場合を規定している同条第2項中の「火災に係る入所者の安全性が確保されている」と認めるときについては、次の点を考慮して判断されたい。

  第124条第2項各号の要件のうち、満たしていないものについて 、一定の配慮措置が講じられていること。
  日常における又は火災時の火災に係る安全性の確保が、利用者が身体的、精神的に障害を有する者であることに鑑みてなされていること。
  管理者及び防火管理者は、当該指定短期入所生活介護事業所の建物の燃焼性に対する知識を有し、火災の際の危険性を十分認識するとともに、職員等に対して、火気の取扱いその他火災予防に 関する指導監督、防災意識の高揚に努めること。
  C 定期的に行うこととされている避難等の訓練は、当該短期入所 生活介護事業所の建物の燃焼性を十分に勘案して行うこと。
     
  (3)

指定短期入所生活介護事業所の設備は、当該指定短期入所生活介護の運営上及びサービス提供上当然設けなければならないものであるが、同一敷地内に他の社会福祉施設が設置されている場合等であって、当該施設の設備を利用することにより指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営が図られ、かつ、当該指定短期入所生活介護事業所の利用者及び当該施設の入所者のサービス提供に支障がない場合には、利用者が日常継続的に使用する設備以外の調理室等の設備について、その一部を設けないことができる。なお、指定短期入所生活介護事業者が利用する他の施設の当該設備については、本基準に適合するものでなければならない。

     
  (4)

便所等面積又は数の定めのない設備については、それぞれの設備の持つ機能を十分に発揮し得る適当な広さ又は数を確保するよう配慮するものとする。

     
  (5)

指定短期入所生活介護事業所における廊下の幅は、利用者の身体的、精神的特性及び非常災害時における迅速な避難、救出の確保を考慮して定められたものである。なお「中廊下」とは、廊下の両側に居室、静養室等利用者の日常生活に直接使用する設備のある廊下をいう。

     
  (6)

指定短期入所生活介護事業所に設置する傾斜路は、利用者の歩行及び輸送車、車椅子等の昇降並びに災害発生時の避難、救出に支障がないようその傾斜はゆるやかにし、表面は、粗面又はすべりにくい材料で仕上げるものとする。

     
  (7)

調理室には、食器、調理器具等を消毒する設備、食器、食品等を清潔に保管する設備並びに防虫及び防鼠の設備を設けるものとする。

     
  (8)

汚物処理室は、他の設備と区別された一定のスペースを有すれば足りるものである。 

     
  (9)

焼却路、浄化槽その他の汚物処理設備及び便槽を設ける場合には、居室、静養室、食堂及び調理室から相当の距離を隔てて設けるものとする。

   
 

(10)

消火設備その他の非常災害に際して必要な設備(第124条第7項第4号)については、指定通所介護に係る第95条第1項と同趣旨であるため、第3の六の2の (3) を参照されたい。
   
  (11) 経過措置 (居宅基準附則第3条)
   

この省令の施行の際現に存する老人短期入所事業を行っている施設又は老人短期入所施設 ( 基本的な設備が完成されているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。) については、設備基準のうち一の居室の定員に関する基準 (4人以下) 、利用者1人当たりの床面積に関する基準 (10.65平方メートル以上) 、食堂及び機能訓練室の面積に関する基準 (3平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上) 並びに構造設備の基準 (廊下の幅の基準、常夜灯の設置、傾斜路の設置等) を適用しないものである。

   
3  

運営に関する基準

     
  (1) 内容及び手続の説明及び同意
    居宅基準第125条における「サービスの内容及び利用期間等についての同意」については、書面によって確認することが望ましいものである 。
   
  (2) 指定短期入所生活介護の開始及び終了
    居宅基準第126条第2項は、利用者が指定短期入所生活介護の利用後においても、利用前と同様のサービスを受けられるよう、指定短期入所生活介護事業者は、居宅介護支援事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携により、指定短期入所生活介護の提供の開始前から終了後に至るまで利用者が継続的に保健医療サービス又は福祉サービスを利用できるよう必要な援助に努めなければならないこととしたものである。
     
  (3) 利用料等の受領
  居宅基準第127条第1項及び第2項の規定は、指定訪問介護に係る第20条第1項及び第2項の規定と同趣旨であるため、第3の3の(10) の及びを参照されたい。
  居宅基準第127条第3項は、指定短期入所生活介護事業者は、指定短期入所生活介護の提供に関して、
    食事の提供に要する費用 (法第51条の2第1項又は法第61条の2第1項の規定により特定入所者介護サービス費が利用者に支給された場合は、法第51条の2第2項第1号に規定する食費の基準費用額 (法第51条の2第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費等が利用者に代わり当該指定短期入所生活介護事業者に支払われた場合は、法第51条の2第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)
    滞在に要する費用(法第51条の2第1項の規定により特定入所者介護サービス費等が利用者に支給された場合は、法第51条の2第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(法第51条の2第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費等が利用者に代わり当該指定短期入所生活介護事業者に支払われた場合は、法第51条の2第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)
    厚生労働大臣の定める基準に基づき利用者が選定する特別な居室の提供を行ったことに伴い必要となる費用
    厚生労働大臣の定める基準に基づき利用者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用
    送迎に要する費用(厚生労働大臣が別に定める場合を除く。)
    理美容代
 

前各号に掲げるもののほか、指定短期入所生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるものについては、前2項の利用料のほかに利用者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の支払を受けることは認めないこととしたものである。なお、イからニまでの費用については、指針及び厚生労働大臣の定める利用者等が選定する特別な居室等の提供に係る基準等(平成12年厚生省告示第123号。以下「特別な居室等の基準等」という。)の定めるところによるものとし、トの費用の具体的な範囲については、別に通知するところによるものとする。

    居宅基準第127条第5項は、指定短期入所生活介護事業者は、同条第3項の費用の支払を受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対して、その額等を記載した書類を交付して、説明を行い、利用者の同意を得なければならないこととしたものである。また、同項第1号から第4号までの利用料に係る同意については、文書によって得なければならないこととしたものである。
     
  (4) 指定短期入所生活介護の取扱方針
  居宅基準第128条第2項で定める「相当期間以上」とは、概ね4日以上連続して利用する場合を指すこととするが、4日未満の利用者にあっても、利用者を担当する居宅介護支援事業者等と連携をとること等により、利用者の心身の状況等を踏まえて、他の短期入所生活介護計画を作成した利用者に準じて、必要な介護及び機能訓練等の援助を行うものとする。
  居宅基準第128条第3項で定めるサービス提供方法等とは、短期入所生活介護計画の目標及び内容や利用期間内の行事及び日課等も含むものである。
  居宅基準第128条第4項及び5項は、当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他利用者の行動を制限する行為を行ってはならない旨を定めたところであるが、緊急やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得なかった理由を記録しなければならないものとする。なお、基準第139条の2第2項の規定に基づき、当該記録は、2年間保存しなければならない。
   
  (5) 短期入所生活介護計画の作成
  居宅基準第129条で定める短期入所生活介護計画については、介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある者や、介護の提供について豊富な知識及び経験を有する者にそのとりまとめを行わせるものとし、当該事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に当該計画のとりまとめを行わせることが望ましいものである。
  短期入所生活介護計画は、居宅サービス計画に沿って作成されなければならない。
なお、短期入所生活介護計画を作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、当該短期入所生活介護計画が居宅サービス計画に沿ったものであるか確認し、必要に応じて変更するものとする。
  短期入所生活介護計画利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて作成されなければならないものであり、サービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保証するため、指定短期入所生活介護事業所の管理者は、短期入所生活介護計画の作成に当たっては、その内容等を説明した上で利用者の同意を得なければならず、また、当該短期入所生活介護計画を利用者に交付しなければならない。
なお、交付した短期入所生活介護計画は、居宅基準第139条の2第2項の規定に基づき、2年間保存しなければならない。
  短期入所生活介護計画の作成に当たっては、居宅サービス計画を考慮しつつ、利用者の希望を十分勘案し、利用者の日々の介護状況に合わせて作成するものとする。
   
  (6) 介護
  居宅基準第130条で定める介護サービスの提供に当たっては、利用者の人格に十分配慮し、在宅生活へ復帰することを念頭において行うことが基本であり、そのためには、利用者の家庭環境等を十分踏まえて、自立している機能の低下が起きないようにするとともに残存機能の維持向上が図られるよう、適切な技術をもって介護サービスを提供し、又は必要な支援を行うものとすること。なお、介護サービス等の実施に当たっては、利用者の人格に十分に配慮して実施するものとする。
  入浴は利用者の心身の状況や自立支援を踏まえて、適切な方法により実施するものとする。 なお、入浴の実施に当たっては、事前に健康管理を行い、入浴することが困難な場合は、清しきを実施するなど利用者の清潔保持に努めるものとする。
  排せつの介護は、利用者の心身の状況や排せつ状況などを基に、自立支援を踏まえて、トイレ誘導や排せつ介助等について適切な方法により実施するものとする。
  利用者がおむつを使用せざるを得ない場合には、その心身及び活動の状況に適したおむつを提供するとともに、おむつ交換に当たっては、頻繁に行えばよいということではなく、利用者の排せつ状況を踏まえて実施するものとする。
  同条第5項は、短期間の入所ではあるが、生活にメリハリをつけ、生活面での積極性を向上させる観点から、1日の生活の流れに沿って、離床、着替え、整容など利用者の心身の状況に応じた日常生活上の世話を適切に行うべきことを定めたものである。
  同条第6項の「常時1人以上の介護職員を介護に従事させ」るとは、夜間を含めて適切な介護を提供できるように介護職員の勤務体制を定めておかなければならないことを規定したものである。
なお、介護サービスの提供に当たっては、提供内容に応じて、職員体制を適切に行うものとする。
   
  (7) 食事
  食事の提供について
利用者の心身の状況・嗜好に応じて適切な栄養量及び内容とすること。
また、利用者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならないこと。
  調理について
調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況を明らかにしておくこと。
  適時の食事の提供について
食事時間は適切なものとし、夕食時間は午後6時以降とすることが望ましいが、早くても午後5時以降とすること。
  食事の提供に関する業務の委託について
食事の提供に関する業務は指定短期入所生活介護事業者自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について事業者自らが行う等、当該事業者の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質が確保される場合には、当該事業者の最終的責任の下で第3者に委託することができること。
  居室関係部門と食事関係部門との連携について
食事提供については、利用者の臙下や咀嘔そしゃくの状況、食欲など心身の状態等を当該利用者の食事に的確に反映させるために、居室関係部門と食事関係部門との連絡が十分とられていることが必要であること。
 

栄養食事相談
利用者に対しては適切な栄養食事相談を行う必要があること。    

 

食事内容の検討について
食事内容については、当該事業者の医師又は栄養士を含む会議において検討が加えられなければならないこと。   

   
  (8) 機能訓練
    居宅基準第132条に定める機能訓練の提供に当たっては、利用者の家庭環境等を十分に踏まえて、日常生活の自立を助けるため、必要に応じて提供しなければならない。なお、日常生活及びレクリエーション、行事の実施等に当たっても、その効果を配慮するものとする。
   
  (9) 健康管理
  居宅基準第133条第1項は、健康管理が、医師及び看護職員の業務であることを明確にしたものである。
  居宅基準第133条第2項で定める定期健康診断などの状況については、その利用者の老人保健法の健康手帳の所要の記入欄に必要な事項を記載するものとする。これらは、医療を受けた場合や在宅復帰後に指定短期入所生活介護事業所での利用者の健康管理状況を把握できるようにすることをねらいとしているものである。
   
  (10) 相談及び援助
    居宅基準第134条に定める相談及び援助は、常時必要な相談及び援助を行い得る体制をとることにより、積極的に利用者の在宅生活の向上を図ることを趣旨とするものである。
   
  (11) その他のサービスの提供
    居宅基準第135条に定めるレクリエーション行事は、(8)の趣旨を踏まえて行うものとする。
   
  (12) 緊急時等の対応
    居宅基準第136条は、短期入所生活介護従業者が現に指定短期入所生活介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき速やかに主治医又はあらかじめ当該指定短期入所生活介護事業者が定めた協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものであるが、協力医療機関については、次の点に留意するものとする。
  協力医療機関は、緊急時等に速やかに対応できるよう、指定短期入所生活介護事業所から近距離にあることが望ましいものであること。
  緊急時において円滑な協力を得るため、当該協力医療機関との間であらかじめ必要な事項を取り決めておくこと。
   
  (13) 運営規程
    居宅基準第137条は、指定短期入所生活介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定短期入所生活介護の提供を確保するため、同条第1号から第9号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定短期入所生活介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。
  利用定員(第3号)
    利用定員は、指定短期入所生活介護の事業の専用の居室のベッド数と同数とすること。
  指定短期入所生活介護の内容(第4号)
    「指定短期入所生活介護の内容」については、送迎の有無も含めたサービスの内容を指すものであること( 居宅基準第153条第3号についても同趣旨)。
  通常の送迎の実施地域(第5号)
    通常の送迎の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の送迎の実施地域は、送迎に係る費用の徴収等の目安であり、当該地域以外の地域に居住する被保険者に対して送迎が行われることを妨げるものではないものであること(居宅基準第153条第4号についても同趣旨) 。
  サービス利用に当たっての留意事項(第6号)
    利用者が指定短期入所生活介護の提供を受ける際の、利用者側が留意すべき事項 (入所生活上のルール、設備の利用上の留意事項等) を指すものであること (居宅基準第153条第5号、第168条第5号、第189条第6号についても同趣旨) 。
  その他運営に関する重要事項(第9号)
    当該利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う際の手続きについて定めておくことが望ましい。
   
  (14) 地域等との連携
    居宅基準第139条は、指定短期入所生活介護の事業が地域に開かれた事業として行われるよう、指定短期入所生活介護事業者は、地域の住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならないこととしたものである。
   
  (15) 準用
    居宅基準第140条の規定により、居宅基準第9条から第13条まで、第15条、第16条、第19条、第 21条、第26条、第32条から第38条まで、第52条、第101条、第103条及び第104条は、指定短期入所生活介護の事業について準用されるものであるため、第3の3の(2)から(6)まで、(9)、(11)、(14)及び(21)から(25)まで、第4の3の(4)並びに第8の3の(5)、(6)及び(7)を参照されたい。この場合において、準用される居宅基準第101条については、
    指定短期入所生活介護事業所ごとに、短期入所生活介護従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、機能訓練指導員との兼務関係等を勤務表上明確にし、人員に関する基準が満たされていることを明らかにする必要があるものであること。併設の指定短期入所生活介護事業所については、本体施設の従業者と併せて勤務表を作成するものとすること。空きベッドを利用して指定短期入所生活介護の事業を行う特別養護老人ホームにあっては、当該特別養護老人ホームの従業者について勤務表が作成されていればよいものであること
    職員の職務体制を定めるもののうち、介護職員の勤務形態については、指定短期入所生活介護が短期間の利用とはいえ、そのサービスの内容は、指定介護老人福祉施設である特別養護老人ホームと基本的に同様であることから「社会福祉施設における防火安全対策の強化について(昭和62年9月18日社施第107号)」に定める特別養護老人ホームの夜間における勤務形態の取り扱いに準じてその体制を確保すること。
また、夜間の介護職員数については、介護老人福祉施設における配置を参考に適切に配置すること。ただし、併設事業所及び居宅基準第121条第2項の適用を受ける特別養護老人ホームについては、本体の事業所等と一体でその取り扱いを行って差し支えないこと。
    指定短期入所生活介護事業所の夜間の安全、防災上の管理の観点から、介護職員のほかに宿直員を配置することが望ましいこと。ただし、併設事業所及び居宅基準第121条第2項の適用を受ける特別養護老人ホームについては、本体の事業所等と一体でその取り扱いを行って差し支えないことに留意するものとする。
   
4   ユニット型指定短期入所生活介護の事業
     
  (1) 第5節の趣旨
    「ユニット型」の指定短期入所生活介護の事業は、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うこと、すなわち、生活単位と介護単位とを一致させたケアであるユニットケアを行うことに特徴があり、これまで「居住福祉型」と称してきたものを、その特徴をよりわかりやすく表す観点から改めたものである。こうしたユニット型指定短期入所生活介護の事業におけるケアは、これまでの指定短期入所生活介護の事業におけるケアと大きく異なることから、その基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、第1節、第3節及び第4節ではなく、第5節に定めるところによるものである。なお、人員に関する基準については、第2節に定めるところによるので、留意すること。
   
  (2) 基本方針
    居宅基準第140条の3は、ユニット型指定短期入所生活介護の事業がユニットケアを行うものであることを規定したものである。その具体的な内容に関しては、居宅基準第140条の7以下に、指定短期入所生活介護の取扱方針、介護、食事など、それぞれについて明らかにしている。
   
  (3) 設備の基準 (居宅基準第140条の4)
  ユニットケアを行うためには、利用者の自律的な生活を保障する居室(個室)と、少人数の家庭的な雰囲気の中で生活できる共同生活室(居宅での居間に相当する部屋)が不可欠であることから、ユニット型指定短期入所生活介護事業所は、事業所全体を、こうした居室と共同生活室によって一体的に構成される場所(ユニット)を単位として構成し、運営しなければならない。
  居宅基準第140条の4第2項は、指定短期入所生活介護に係る居宅基準第124条第2項と同趣旨であるため、第3のハの2の(2)を参照されたい。
  居宅基準第140条の4第3項第1号に掲げている「ユニット」は、 居室及び共同生活室のほか、洗面設備及び便所を含むものである。
   利用者が、自室のあるユニットを超えて広がりのある日常生活を楽しむことができるよう、他のユニットの利用者と交流したり、 多数の利用者が集まったりすることができる場所を設けることがのぞましい。
  D ユニット(第6項第1号)  
    ユニットは、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うというユニットケアの特徴を踏まえたものでなければならない。
  居室(第1号イ)
    前記のとおりユニットケアには個室が不可欠なことから、室の定員は1人とする。ただし、夫婦で居室を利用する場合など
    居室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けなければならない。
この場合、「当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けられる居室とは、次の3つをいう。
      当該共同生活室に隣接している居室
     

当該共同生活室に隣接していないが、a の居室と隣接している居室   

      c 

その他当該共同生活室に近接して一体的に設けられている居室(他の共同生活室のa及びbに該当する居室を除く。)   

    ユニットの利用定員
      ユニット型指定短期入所生活介護事業所は、各ユニットにおいて利用者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するものであることから、一のユニットの利用定員は、10人以下とすることを原則とする。
ただし、敷地や建物の構造上の制約など特別の事情によりやむを得ない場合であって、各ユニットにおいて利用者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するのに支障がないと認められる場合には、利用定員が10人を超えるユニットも認める。なお、この場合にあっても、次の2つの要件を満たさなければならない。
      a 

利用定員が10人を超えるユニットにあっては、「おおむね10人」と言える範囲内の利用定員であること。

     

利用定員が10人を超えるユニットの数は、当該事業所の総ユニット数の半数以下であること。

    ユニットの利用定員に関する既存事業所の特例
      平成15年4月1日に現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中を含む。)が、その建物を同日以降に改修してユニットを造る場合にあっては、事業所を新増築したり、改築したりする場合に比べて、現にある建物の構造や敷地などの面で、より大きな制約が想定されることから、前記ハのbの要件は適用しない。
また、平成15年4月1日に現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中のものを含む。)が同日において現にユニットを有している(建築中のものを含む。)場合は、当該ユニットについては、前記ハは適用しない。ただし、当該ユニットが改築 されたときは、この限りでない。
    居室の床面積等
      ユニット型指定短期入所生活介護事業所では、居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うため、利用者は長年使い慣れた箪笥(たんす)箪笥たんすなどの家具を持ち込むことを想定しており、居室は次のいずれかに分類される。
     

ユニット型個室
床面積は、10.65平方メートル以上(居室内に洗面設備が設けられているときはその面積を含み、居室内に便所が設けられているときはその面積を除く。)とすること。

 
     

 

ユニット型準個室
ユニットに属さない居室を改修してユニットを造る場合であり、床面積は、10.65平方メートル以上(居室内に洗面設備が設けられているときはその面積を含み、居室内に便所が設けられているときはその面積を除く。)とすること。この場合にあっては、入居者同士の視線が遮断され、入居者のブライバシーが十分に確保されていれば、天井と壁との間に一定の隙間が生じていても差し支えない。
壁については、家具等のように可動のもので室内を区分しただけのものは認められず、可動でないものであって、ブライバシーの確保のために適切な素材であることが必要である。
居室であるためには、一定程度以上の大きさの窓が必要であることから、多床室を仕切って窓のない居室を設けたとしても準個室としては認められない。
また、居室への入口が、複数の居室で共同であったり、カ−テンなどで仕切られているに過ぎないような場合には、十分なプライバシーが確保されているとはいえず、準個室としては認められないものである。
なお、ユニットに属さない居室を改修してユニットを造る場合に、居室がaの要件を満たしていれば、ユニット型個室に分類される。

 
  共同生活室(第一号ロ)
    共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの利用者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有するものでなければならない。このためには、次の2つの要件を満たす必要がある。
      a.  他のユニットの利用者が、当該共同生活室を通過することなく、事業所内の他の場所に移動することができるようになっていること。
     

b.. 

当該ユニットの利用者全員とその介護等を行う従業者が一度に食事をしたり、談話等を楽しんだりすることが可能な備品を備えた上で、当該共同生活室内を車椅子が支障なく通過できる形状が確保されていること。
    共同生活室には、要介護者が食事をしたり、談話等を楽しんだりするのに適したテーブル、椅子等の備品を備えておかなければならない。
また、利用者が、その心身の状況に応じて家事を行うことができるようにする観点から、簡易な流し、調理設備を設けることが望ましい。
  洗面設備(第1号ハ)
    洗面設備は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室内の1か所に集中して設けるのではなく、2か所以上に分散して設けることがのぞましい。
なお、居室ごとに設ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。
  便所(第1号二)
    便所は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活 室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室内の1か所に集中して設けるのではなく、2か所以上に分散して設けることが望ましい。なお、居室ごとに設 ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。
  浴室(2号)
    浴室は、居室のある階ごとに設けることが望ましい。
  廊下(6項1号)
    ユニット型指定短期入所生活介護事業所にあっては、多数の利用者や従業者が日常的に一度に移動することはないことから、廊下の幅の一律の規制を緩和する。
ここでいう「廊下の一部の幅を拡張することにより、利用者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合」とは、アルコーブを設けることなどにより、利用者、従業者等がすれ違う際にも支障が生じない場合を想定している。
このほか、ユニット型指定短期入所生活介護事業所の廊下の幅については、第10の2の(4)を準用する。この場合において、第10の2の(4)中「静養室」とあるのは「共同生活室」と読み替えるものとする。
  消化設備その他の非常災害に際して必要となる設備140条の4第7項は、指定通所介護に係る居宅基準第95条第1項と同趣旨であるため、第3の六の2の(3)を参照されたい。
  ユニット型指定短期入所生活介護事業所の設備については、上記のからKまでによるほか、第10の2の規定((4)及び(9)を除く。)を準用する。この場合において、第10の2の(1)中「静養室、食堂、浴室及び機能訓練室」とあるのは「共同生活室及び浴室」と、同(8)中「静養室、食堂」とあるのは「共同生活室」と読み替えるものとする。
   
  (4) 利用料等の受領 (居宅基準第140条の6)  
  ユニット型指定短期入所生活介護事業者は、利用者から、ユニットの提供を行うことに伴い必要となる費用の額の支払いを受けることができるが、この取扱いは、「小規模生活単位型介護老人福祉施設の居住費について」(平成15年3月17日老計発第0317002号、老振発第0317003号、老健発第0317003号厚生労働省老健局計画課長、振興課長、老人保健課長通知)を参照すること。
  第10の3の(3)は、ユニット型指定短期入所生活介護事業者について準用する。この場合において、第10の3の(3)の中「居宅基準第127条第1項及び第2項」とあるのは「居宅基準第140条の6第1項及び第2項」と、同中「居宅基準第127条第3項」とあるのは「居宅基準第140条の6第3項」と、同中「居宅基準第127条第5項」とあるのは「居宅基準第140の6第5項」と読み替える ものとする。
     
  (5) 指定短期入所生活介護の取扱方針 
  居宅基準第140条の7第1項は、第140条の3第1項の基本方針を受けて、利用者へのサービスの提供は、利用者が自律的な日常生活を営むことができるよう支援するものとして行われなければならないことを規定したものである。
利用者へのサービスの提供に当たっては、利用前の居宅における生活と利用中の生活が連続したものとなるよう配慮することが必要であり、このため従業者は、1人1人の利用者について、個性、心身の状況、利用に至るまでの生活歴とその中で培われてきた生活様式や生活習慣を具体的に把握した上で、その日常生活上の活動を適切に援助しなければならない。
なお、こうしたことから明らかなように、利用者の意向に関わりなく集団で行うゲームや、日常生活動作にない動作を通じた機能訓練など、家庭の中では通常行われないことを行うのは、サー ビスとして適当でない。
  居宅基準第140条の7第2項は、第140条の3第1項の基本方針を受けて、利用者へのサービスの提供は、利用者がユニットにおい て相互に社会的関係を築くことができるよう、それぞれ役割を持って生活を営めるように配慮して行われなければならないことを規定している。
このため従業者は、利用者相互の信頼関係が醸成されるよう配慮することが必要であるが、同時に、利用者が他の利用者の生活に過度に干渉し、自律的な生活を損なうことにならないようにすることにも配慮が必要である。
   
  (6) 介護 
  居宅基準第140条の8第1項は、介護が、第140条の7第1項及び第2項の指定短期入所生活介護の取扱方針を受けた適切な技術をもって行わなければならないことを規定したものである。
自律的な日常生活を営むことを支援するという点では、利用者の日常生活条の活動への援助が過剰なものとなることのないよう留意する必要がある。
  居宅基準第140条の8第2項の「日常生活における家事」には、食事の簡単な下準備や配膳、後片付け、清掃やゴミ出しなど、多様なものが考えられる。
  居宅基準第140条の8第3項は、入浴が、単に身体の清潔を維持するためだけでなく、利用者が精神的に快適な生活を営む上でも重要なものであることから、こうした観点に照らして「適切な方法により」これを行うこととするとともに、同様の観点から、一律の入浴回数を設けるのではなく、個浴の実施など利用者の意向に応じることができるだけの入浴機会を設けなければならないこ とを規定したものである。
  C ユニット型指定短期入所生活介護事業所における介護については、上記のからまでによるほか、第10の3 の(6)のからまでを準用する。この場合において、第10の3の(6)のD中「同条第5項」とあるのは「第140条の8第6項」と、同中「同条第6項」とあるのは「第140条の8第7項」と読み替えるものとする 。
   
  (7) 食事 
  居宅基準第140条の9第3項は、第140条の7第1項の指定短期入所生活介護の取扱方針を受けて、食事は、利用者の生活習慣を尊重した適切な時間に提供しなければならないこと、また、事業者側の都合で急かしたりすることなく、利用者が自分のペースで食事を摂ることができるよう十分な時間を確保しなければならないことを規定したものである。
  居宅基準第140条の9第4項は、第140条の3の基本方針を受けて、利用者の意思を尊重し、また、その心身の状況に配慮した上で、できる限り離床し、共同生活室で食事を摂ることができるよう支援しなければならないことを規定したものである。
その際、共同生活室で食事を摂るよう強制することはあってはならないので、十分留意する必要がある。
  ユニット型指定短期入所生活介護事業所における食事については、上記の及びによるほか、第3の八の3の(7)のからまでを準用する。
   
  (8) その他のサービス提供 
    居宅基準第140条の10第1項は、第140条の7第1項の指定短期入所生活介護の取扱方針を受けて、利用者1人1人の嗜好を把握した上で、それに応じた趣味、共用又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、同好会やクラプ活動などを含め、利用者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならないことを規定したものである。
    ユニット型指定短期入所生活介護事業所の居室は、家族や友人が来訪、宿泊して利用者と交流するのに適した個室であることから、これらの者ができる限り気軽に来訪、宿泊することができるよう配慮しなければならない。
   
  (9) 運営規程 
    指定短期入所生活介護の内容及び利用料その他の費用の額(第5号)
    「その他の費用の額」は、居宅基準第140条の6第3項により支払を受けることが認められている費用の額を指すものであること。
    第10の3の(13)は、ユニット型指定短期入所生活介護事業者について準用する。この場合において、第10の3の(13)中「第137条」とあるのは「第140条の11」と、「同条第1号から第9号まで」とあるのは「同条第1号から第10号まで」と、同中「第4号」とあるのは「第5号」と、同中「第5号」とあるのは「第6号」と、同C中「第6号」とあるのは「第7号」と、同D中「第9号」とあるのは「第10号」と読み替えるものとする。
   
  (10) 勤務体制の確保(居宅基準第140条の十一の2)
    ユニット型指定短期入所生活介護事業所において配置を義務付けることとしたユニットごとの常勤のユニットリーダーについては、当面は、ユニットケアリーダー研修を受講した職員(以下「研修受講者」という。)を各施設(一部ユニット型の施設も含む。)に2名以上配置する(ただし 2 ユニット以下の施設の場合には、1名でよいこととする)ほか、研修受講者が配置 されているユニット以外のユニットでは、ユニットにおけるケアに責任を持つ(研修受講者でなくても構わない。)職員を決めてもらうことで足りるものとする。
この場合、研修受講者は、研修で得た知識等をリーダー研修を受講していないユニットの責任者に伝達するなど、当該施設におけるユニットケアの質の向上の中核となることが求められる。また、平成18年4月1日の時点でリーダー研修を修了した者が2名に満たない施設については、平成19年3月31日までの間に満たせばよいこととする。
   
  (11) 準用 
    居宅基準第140条の13の規定により、第125条、第126条、第129条、第132条から第134条まで、第136条、第139条及び第140条の規定は、ユニット型指定短期入所生活介護の事業について準用されるものであるため、第10の3の(1)、(2)、(5)、(8)から (10)まで、(12)、(13)及び(15)を参照されたい。
   
5   一部ユニット型指定短期入所生活介護の事業
     
  (1) 第6節の趣旨 
    平成15年4月1日に現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中のものを含む。)が、その建物を同日以降に改修、改築又は増築して事業所の一部にユニットを造り、ユニットケアを行う場合、また、同日において現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中のものを含む。)が同日において現に有している(建築中のものを含む。)ユニットで事業所の一部においてユニットケアを行う場合は、これを一部ユニット型指定短期入所生活介護事業所とし、その基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、第1節、第3節及び第4節ではなく、第6節に定めるところによるものである。なお、人員に関する基準については、第2節に定めるところによるので、留意すること。
   
  (2) 基本方針 
    居宅基準第140条の15は、一部ユニット型指定短期入所生活介護の事業の基本方針は、ユニット部分にあっては小規模生活単位型指定短期入所生活介護の事業の基本方針(居宅基準第140条の3)に、また、それ以外の部分にあっては指定短期入所生活介護の事業の基本方針(居宅基準第120条)に定めるところによることを想定したものである。
これを受けて、設備及び備品等、利用料等の受領、指定短期入所生活介護の取扱方針、介護、食事、その他のサービスの提供及び定員の遵守について、居宅基準第140条の16から第140条の22まで及び第140条の24に、ユニット部分の基準とそれ以外の部分の基準を規定している。
   
  (3) 運営規程 (居宅基準第140条の23)
    利用定員並びに指定短期入所生活介護の内容及び利用料その他の費用の額については、ユニット部分とそれ以外の部分のそれぞれについて明らかにしなければならない。
     
  (4) 職員の配置の基準等 
  居宅基準第121条第1項第3号に規定する基準は、ユニット部分とそれ以外の部分のそれぞれ満たさなければならない。
    日中にユニット部分の利用者に対するサービスの提供に当たる介護職員又は看護職員が、その時間帯においてそれ以外の部分の利用者に対してサービスの提供を行う勤務体制とすることは、望ましくない。
     
  (5) 一部ユニット型指定短期入所生活介護事業所のユニット部分については4に、また、それ以外の部分については2及び3までに、それぞれ定めるところによる。
   
6   基準該当短期入所生活介護に関する基準
     
  (1) 指定通所介護事業所等との併設 (居宅基準第140条の26)
    基準該当短期入所生活介護事業所は、指定通所介護事業所又は社会福祉施設に併設しなければならないこととされているが、ここにいう社会福祉施設とは、社会福祉事業法第57条にいう社会福祉施設を指すものであること。
   
  (2) 従業者の員数及び管理者 (居宅基準第140条の27及び第140条の28)居宅基準第140条の3第 4項にいう従業者の員数の確保を除けば、いわゆる単独型の指定短期入所生活介護事業所の基準と同様であり、 第10の1の(2)から(6)までを参照されたい。  
   
  (3) 設備に関する基準 (居宅基準第140条の30)
  併設の指定通所介護事業所等の施設との設備の兼用が居室を除き可能であること、廊下は車椅子での円滑な移動が可能な廊下幅であればよいこと等、指定短期入所生活介護の基準との相違点に留意すること。
  この省令の施行の際現に存する老人短期入所事業を行っている施設若しくは老人短期入所施設 (基本的な設備が完成されているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。) 又は老人短期入所事業に相当する事業の用に供する施設若しくは老人短期入所施設に相当する施設 (この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち一の居室の定員に関する基準 (4人以下) 、利用者1人当たりの床面積に関する基準 (10.65平方メートル以上) 、食堂及び機能訓練室の面積に関する基準 (3平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上) を適用しないものである。(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令 (平成12年厚生省令第37 号) 附則第2項による経過措置)
   
  (4) 運営に関する基準
    居宅基準第140条の8の規定により、居宅基準第9条から第13条まで、第16条、第19条、第21条、第26条、第32条から第35条まで、第36条第1項及び第2項、第37条から第39条まで、第52条、第 101条、第103条、第104条、第120条並びに第4節 (第127条第1項及び第140条を除く。) の規定は、基準該当短期入所生活介護の事業に準用されるものであるため、第3の3の(2)から(5)まで、(9)、(11)、(14)、(20)から(25)まで、第4の3の(4)、第8の3の(5)、(6)及び(7)並びに第10の3を参照されたい。この場合において、準用される居宅基準第127条第2項の規定は、基準該当短期入所生活介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費を算定するための基準となる費用の額 (100分の90を乗ずる前の額) との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による短期入所生活介護が複数の市町村において基準該当短期入所生活介護と認められる場合には、利用者の住所 地によって利用料が異なることは認められないものである。
     
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